仕込みをしていた酒盗が良い感じになってきました。これなら自分の記録も含めて紹介しても良いかな~何て思っています。
今までカツオのチャンジャは作った事があるけれども、酒盗を作るのは初めてです。事前に下調べはしましたけど酒盗の作り方に関するサイトは思ったより少ない事が解りました。こんなマニアックな事をする人はいくら釣り師でも少ないって事ですかね。前回の記事でも書きましたがアニサキスには十分注意してください。通常刺身でカツオを食べる分にはアニサキスに当たる確率は極めて少ないですが内蔵に付く確率は高いので酒盗では要注意です、今回3匹程発見しました。仕込んだ後に味見をする場合は一晩冷凍した後なら死滅しますのでそれを解凍してからの方が無難だと思います。
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カツオのはらわたのどこの部分を使う】
既製品の酒盗にはコリコリした部分と味噌のような部分があります。
コリコリした部分とは 胃袋、腸
味噌のような部分 肝臓 幽庵垂
ここで余る卵はカラスミにしました。心臓は塩焼きに出来ますよ。
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幽庵垂とは】
人の体の器官に無いのであまり聞き慣れない臓器ですが、魚の大部分が実は胃袋で無くて幽庵垂で食べ物を消化します。カツオの場合臓器の40%ぐらいを占めますので一番大きな臓器がこれに当たります
体内では食道>胃>幽庵垂>腸>肛門の順に繋がっています。この部位は酒盗を作る上で重要な臓器になります。消化器官にある酵素を上手く利用した発酵食品が酒盗と思っていただければ解りやすいと思います。
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シンプルに作ろう】
今回は初めてなので極めてシンプルに作りたいと思いました。塩、カツオ以外の材料は本来なるべく使いたくありません、何かでごまかすよりも基本に忠実に作った方が後々上手く行かなかった原因が究明しやすいからです。なんせ添加物の無い本物の酒盗を食べたいと思ったのがこれを作るきっかけだったのですから。
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臭み対策】
臭うところは捌きながら観察しましたが。未消化物と胃と腸の内側のぬめり、幽庵垂の中に穴に入っている体液、この部分には注意しました。何回も塩漬、洗いを繰り返せばよいのですがこちとら一般サラリーマンなのであまり手を掛けられない、そこで細かく切ってざるで圧縮、臭みになる体液を絞り出すという方法を取りました。
【作り方】
■臓器を選別する胃袋、腸 袋を捌いて内側のぬるぬるを包丁でこそげ落とす。未消化内容物の残りなどを取り除く。コマ切れにして奇麗に洗い、キッチンペーパーで拭いて塩漬けにする。
■ 肝臓 幽庵垂をぶつ切りにして 塩を強めにしてざるで圧力をかけて中に残っている体液を絞り出す。幽庵垂の中には未消化物が残っている場合があるので これらをすべて奇麗に洗い流したのち キッチンペーパーで拭いて塩漬けにする。
■それぞれ塩漬け>翌日洗い また塩漬けを毎日 3日ぐらい繰り返す。
■肝臓 幽庵垂を洗い、包丁で細かくたたいてペースト状にする。キッチンペーパーで良く水分を切った後胃袋と腸と混ぜる。
■雑菌繁殖を防ぐため煮沸消毒した瓶にこれらを入れる。
■初回1週間は常温にて発酵を促進させる。
■それ以降は冷凍庫で ゆっくり発酵させる。
今日、3週目で食べてみましたが、まだコリコリ感が残っているので熟成までにはもう少し時間がかかりそうです。イヤな臭みは無く味はかなり本物近づいて来ました。塩分濃度は20~30%ぐらいだと思います。